経営者が知っておきたい銀行融資の審査基準!融資を獲得するために大切なこと

当然ですが、銀行はどんな企業や、事業主にでも融資をするわけではありません。

 

銀行内部の審査基準に合格した企業や事業者に対してのみ融資を行います。よって、銀行融資を受けたいのならば、融資を受ける側も銀行がどのような基準で事業性資金の融資を決定しているのかを理解したうえで、審査基準をクリアできるように準備する必要があります。

 

銀行がどのような流れで融資の可否判断を行い、どのような基準で融資先の格付けを行っているのか基準について説明します。

 

 

 

融資を受けるまでの流れ

まずは銀行から事業性資金の融資を受けるまでの流れを説明しましょう。審査に通って融資を受けるためには、手続きの流れを理解しておくことも大切です。

 

借入希望の意思を伝える

銀行から融資を受けるまでの最初のステップは、希望する銀行に対して、融資を受けたいということを伝えることです

あたり前のことのようですが、この時には注意すべきことはあります。

 

この時、相談する金融機関の支店は、本社や事業所の近隣にある支店となります。直接、銀行に訪問して伝えるのも良いですが、最初に電話で融資相談がしたいということを伝えて、時間を決めてから訪問する方が良いでしょう。

 

金融機関に担当ができる

大抵の場合、融資を受けようとする企業毎に、銀行の融資担当者がいて、その担当者を窓口にして融資の相談や申し込みを行います。融資取り引きを受けるためには、銀行内部でも様々な稟議や手続きが必要になるため、こういった担当者が必要になるのです。

 

銀行から融資を受けるための最初のステップは、融資担当と相談して、説得したり、納得させるなど、自社のことを認めてもらう必要があります。融資担当者は貸出したお金の使い道や必要な金額、借入後の返済計画のヒアリングをして大まかな方針を理解します。そして、うちでは融資するのは厳しい、信用保証協会付ならいける、プロパーで融資できそうなどの大まかな方針を決定します。

 

銀行内で稟議手続きが行われる

融資担当者の意見をもとに銀行に提出する必要書類を収集・作成すると、融資担当者が融資の稟議書を書いて、銀行内で融資可能かを審査します。

 

融資の規模によって、銀行内部の決裁権限者(融資することを最終決定する責任者)は異なります。小規模の融資なら支店長決裁、大規模な融資は本店の審査部の決裁となります。

 

中小企業の資金調達なら、ほぼ支店長決裁で済むと考えて良いでしょう。決裁権限者に説明したり、交渉して、融資の承認を得るのは銀行の融資担当者です。そのため、融資担当者は銀行内部で手続きを進めるための、企業の味方・代理人ともなります。

 

借入のための契約締結

無事に融資審査が通れば、銀行から企業に対して、最終的な融資条件が提示されます。融資条件とは、融資可能な金額や、借入期間、金利、担保・連帯保証人の要否などです。この時、希望した借入金額の満額を認められないということもあるでしょう。また、考えていたよりも、金利が高くなってしまうこともあります。

 

こういった融資条件に応諾すれば、金銭消費貸借契約を締結することになります。

 

お金を受け取る

無事に金銭消費貸借契約書を締結すると、契約で定めた期日にお金を受け取ることができます。とは言っても、現金で受け取るわけではなく、銀行口座に入金してもらうという流れになります。

 

最初に相談・申し込みしてから、お金を入金してもらうまでの期間は銀行によってばらつきがありますが、平均すれば、だいたい半月から1か月程度を目安に考えると良いでしょう。融資を得るまでに必要な期間は、初めて融資を申込する銀行なのか、2度目・3度目の融資なのかによっても大きく異なります。初めて相談銀行の場合、銀行でも慎重に審査することになるため、さらに時間がかかることもあります。

 

信用保証協会の保証が必要になった場合は、信用保証協会の審査も受けなければならないので融資を受けるためにはもう少し時間がかかります。

 

いずれにしても十分な時間的余裕を持って融資の申し込みをした方が良いでしょう。

 

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「信用格付」を決める要素

銀行融資の流れについて説明しましたが、融資担当者や支店長が独自の基準で融資の可否を決定しているわけではありません。

 

融資審査をする際には、まず企業の信用格付けを決めて、格付けに基づいて融資の可否判断を行います。銀行の信用格付けは、定量評価、定性評価、その他の三つの基準によって決まっていると言われています。

 

以降では、銀行融資で大切なポイントになる信用格付けの3つの基準を解説します。

 

定量評価

最初に説明するのは「定量評価」です。銀行融資の8割は定量評価によって決まると言われています。定量評価とは企業の決算データを用いて、安全性、収益性、成長性、返済能力という4つの経営指標を定量的に算出・評価した結果のことを指します。

 

例えば、総資産に対して純資産が何割位あるのかという自己資本比率や、売上高に対して経常利益が何割あるのかという売上高経常利益率などさまざまな指標があります。

 

経営者は会社にいくらお金が残るかだけではなく、決算書が銀行員にどのように見えるのかを考えたうえで経営しなければなりません。

 

 

定性評価

定性評価とは、経営者の資質や、市場の伸び率、商品の競争力など銀行員の抱いている印象で決まる評価項目です。定量評価が数値をもとにする評価であったのに対して、定性評価は「言葉」、「言語」をもとに表す評価と考えれば良いでしょう。

 

定量評価を良くするためには経営自体を良くする必要がありますし、その結果が「決算書」という結果になる必要があります。そのため、一朝一夕では改善しませんが、定性評価は銀行員との関係性で改善可能です。

 

銀行の融資担当者に自社の事業内容、サービス、他社との違いをよく知ってもらえるように、必要な資料を準備するなど、積極的に情報公開するのが良いでしょう。また、銀行の融資担当者が理解しやすいように、丁寧に説明することで、稟議書に記載しやすくし、高い評価をつけられるようにしておいた方が良いでしょう。

 

 

その他

定量評価、定性評価以外にも融資審査に影響を与える基準があります。

 

例えば、財務状態が良い会社でも税金や社会保険料の滞納があれば融資を受けるのは厳しくなります。一方で会社の財務状態が厳しくても、社長の個人資産や担保にできる不動産があれば審査ではプラス評価になります。

 

また、決算書上は良い会社に見えるけれども、実態は悪い会社であるということも少なくありません。例えば売掛金に焦げ付いているものがないか、保有している不動産が簿価よりも実際の価格が下落していないか、不良在庫の有無などもここで確認して査定を調整されます。

 

 

銀行取引の区分方法

銀行は信用格付けをもとに、融資先を10段階程度(銀行毎に詳細は異なります)に分類しています。正常先に分類されていれば問題ありませんが、要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先などに分類されていると、銀行から融資を受けられない可能性が高まります。

 

自社の格付けが具体的にどうなっているかは教えてくれませんが、融資担当者の関係性が良ければどの位の格付けになっているのか、どうすれば格付けがあがるのかについて、目安を教えてくれる場合もあります。

 

なお、銀行が新規融資に応じてくれるのは、原則、正常先か要注意先です。要管理先以下は、新規融資の対応は難しくなります。実際に融資相談をしてみれば、自社の格付けがどの程度にあるのかは推測できるでしょう。

 

 

銀行から融資を引き出すポイント

では、銀行の融資審査に通過して、融資を引き出すために、何を心がけた方が良いのかという点を整理しましょう。

 

融資担当者を味方にする

まず重要なのが銀行の融資担当者を味方にすることです。

 

格付けの定量評価の中には融資担当者の印象に基づく審査項目もあります。また、実際に銀行内で稟議を通過しそうか否かという基準は、その銀行の内部にいる人が一番よく知っています。

 

融資担当者も融資ノルマがあるために、申し込まれた案件については基本的には融資をしたいはずです。企業も融資担当者も融資を受けるという点では目標は一致しているはずなので、融資担当者にこの会社のためなら頑張りたいと思ってもらえるように良好な関係性作りを心がけてください。

 

間違っても、融資担当者の求める資料を提出しない、邪険に扱うなど、融資担当者の印象を悪くするようなことは避けましょう。銀行の審査では、「定性評価」も重要であるため、「融資担当者が融資したくない企業」というのも、審査に落ちる立派な理由になります。

 

 

情報を公開する

融資を得るためには、銀行を説得する必要があります。しかし、銀行は財務のプロであって、ビジネスのプロではありません。

 

銀行は会社の財務状態については勝手に分析してくれます。しかし、事業として、どの位の伸びしろがあるのか、競合より自社の製品がいかに優れているのか、なぜその設備投資をしなければならないのかといった点など、経営に関する情報はこちらから説明してあげないと、銀行は十分に理解してくれません。

 

融資を受ける際や、決算などの節目には事業計画を作って、銀行に自社の情報を公開した方が良いでしょう。また、実際に自社の商品を見てもらったり、事業を行っている現場や、工場などを見学してもらうというのも大切です。

 

 

経営者が財務リテラシーをあげる

経営者が財務に関するリテラシーをあげることも必要です。

 

経営者にある程度の財務のリテラシーが無ければ、銀行員となかなか話がかみ合いません。企業の決算申告を税理士に任せきりにするのではなく、自分で会社の財務状態を把握しておくことは大切です。

 

財務、経理や、資金繰りを全く理解していない経営者は銀行から敬遠されます。分業が進んでいる大企業であれば別ですが、中小企業の場合、財務的な知識、理解の低い経営者は、理解不足によって会社を潰してしまうこともあるためです。

 

融資を受ける際にも、返済計画を説明できるようにするなど、経営者がきちんと財務について知っておく必要があります。

 

 

節税もほどほどに

中小企業や、個人事業主のなかには、少しでも納税額を減らしたいという観点から、決算書、もしくは確定申告を赤字にしようとする方がいます。

 

しかし、銀行からの融資を獲得したいのなら、節税はほどほどにして、しっかりと利益を計上する必要があります。銀行が融資可否を判断する場合、その企業や個人事業主の「返済能力」を重要視します。そして、「返済能力」とは、利益のことを指します。

 

赤字を続けている企業や、個人事業主では返済能力なしとして、融資を受けることは難しくなってしまいます。

 

融資審査に落ちた場合

しっかりと審査基準を理解して準備を行っていても、銀行の融資審査に落ちてしまうことはあります。

 

銀行は「低金利」で融資するため、貸し倒れになってしまうと大きな損を被ります。そのため、非常に慎重な姿勢で融資を行います。初めて融資相談を受けた企業や、個人事業主であれば、なおさら慎重に審査します。

 

審査に落ちてしまった中小企業経営者や、個人事業主は、「ビジネスローン」や「ファクタリング」も検討されてみてはいかがでしょうか。

 

ビジネスローンや、ファクタリングは、銀行融資に比べれば金利は高くなってしまいますが、「審査に通りやすく」、「数日程度」のスピード審査で資金調達できるのが特徴です。

 

法人企業に対する売掛金をお持ちの企業や、個人事業主であれば「ファクタリング」、売掛金が無い、もしくは銀行審査には落ちたけども、黒字を維持していて、利益が出ているという会社ならビジネスローンがおすすめです。

 

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まとめ

以上のように、銀行融資の審査基準について説明してきました。

もちろん、都市銀行か地方銀行、信用金庫のいずれに相談するかによっても審査のハードルは変わってきます。ただし、基本的には都市銀行か、信用金庫かに関わらず、すべての「銀行」は本記事で説明したような基準で企業を格付けして融資可否を判定しています。

 

定量評価を変えるためには、決算書の内容を改善しなければならないので大変ですが、定性評価を変えるだけならば銀行に自社のことを積極的に情報公開することによってある程度の改善が期待できます。

 

銀行融資を受けるときに特に重要なのが、銀行の融資担当者を味方にすることです。融資担当者も人間ですし、会社員としてのノルマがあるので、きちんとしている企業の力にはなりたいと思っているし、できることなら融資したいと考えています。

 

銀行からの格付けをあげるためにはなどを考えていくとキリがありません。まずは会社の情報をきちんと公開して、融資担当者と良好な関係行を構築することを目標にすると良いでしょう。

 

 

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