借入を延滞していると給料が差し押さえされた!!給料差し押さえを回避するには?(2)

前回、借入を延滞していることによって行われる、強制執行という法的手続きのうち、給料差し押さえがどういったものかについてご説明いたしました。

前回の内容はこちらをご参照ください。
関連記事:給料差し押さえとはどういったものか?(1)
 
今回は、その給料差し押さえを受けそうな時、及び給料差押えが行われた時に、いかにすれば回避できるのかといった対応方法について説明します。
 

 

給料差し押さえってどういうもの?

「給料差し押さえ」は、借金や税金の支払いを延滞したことを原因として債権者が法的に回収を図る強制執行の1つです。
給料差押えは、債権者が裁判所の許可を得て、債務者の承諾に関わらず、借入人の給料から強制的に回収できる強硬手段です。
 
給料差し押さえが行われると、就業先から債務者に支払われる給料を、債権者は勤務先から直接回収することができます。給料からの回収を債務者を介することなく、直接就業先から行えるため、債権者にとって非常に強力な回収手段となります。
 
 

給料差し押さえを回避する方法は?

では、債務者にとってこういった給料の差し押さえを回避する方法はあるのでしょうか?以降では、給料差し押さえの回避方法や、もし、給料差し押さえが行われたとした時の対応方法についてご説明いたします。
 

 

 

会社に頼んで差し押さえに応じないことは出来るか?

給料差押えを受けた方のなかには、お勤め先の社長や人事担当などに相談して、給料差押えに応じないように依頼する方もいます。また、完全に応じないのではなく、給料の額を偽ったり、辞めたことにしようとする方もいます。しかし、こういった債権者を騙すような行為は、現実的に難しいですし、行うべきではありません。
 
勤務先が従業員を庇って虚偽の報告(実際よりも少ない額を申告したり、もしくは退職したなどと嘘を付く)をすると、それがばれた時に、生じた損害を債権者に対して賠償する責任が勤務先に発生します。
 
つまり、従業員を庇ったために、債権者が本来受け取るはずだった金額を、勤務先が責任を負って支払うことになるのです。

 
また、この場合は勤務先が違法行為をしたことになります。
給料差し押さえが行われたことを原因として、従業員を解雇することはできませんが、もし、違法行為を会社に要求して、損害を与えることになれば、解雇の原因にもなり得ます。

 

 

勤務先を知られないようにする

いくら債務名義を取得しても、債権者が、「給料差し押さえ」を行うためには、「勤務先」を知っていなければいけません。
強制執行を申し立てるにあたって、「勤務先を特定」できていないと、差し押さえをすることは出来ず、特定する義務があるのは債権者になるのです。
 
もし、借入申込時から、転職などで勤務先が変更になっているのであれば、その後の転職先を知られないようにしておくのも回避するための有効な手段となります。「勤務先名」を知られないことが、回避の方法になります。
 
債権者が、債務者の勤務先を調べることは、意外に難しいものです。債権者が銀行や、大手消費者金融などの場合、債務者に張り付いて調べるということも出来ませんので、調べるとなれば興信所や調査会社などを利用する必要があります。
そのためには、費用も掛かりますし、大手金融機関の場合、興信所を使って、個人情報を調べることに批判を受ける可能性もあります(本来、債権保全のために、問題ない行動だと思われますが、世間一般は、債務者=弱者として銀行への風当たりが強くなります)。
 
最低限、やむを得ず延滞に至ってしまった際には、給料差し押さえを回避するための心がけとして、転職したこと自体や、勤務先名を相手方の金融会社に伝えないことが対処方法となります。
 

 

勤務先を退職したらどうなる?

給料差押えを受けてから、その時の就業先を退職するとどうなるのでしょうか。その後、転職して新たな会社に勤めると、自動的にそちらの会社にも給料差押えが引き継がれるのでしょうか。
 
差押えの対象になっている勤務先から退職すると、給料差し押さえは継続できません。給料差し押さえは、あくまでも特定の勤務先に対して行われるもので、他の勤務先から受け取る給料には及びませんので、転職すると一度リセットがかかります。転職前の勤務先は、差押えを受けた本人が辞めたことを裁判所に報告して終わりです。
 
但し、債権者としては、債務名義自体は有効に残っていますので、あらたな転職先を特定することができれば、そちらに対して給料差し押さえを求めることになります。もし、転職先が解らなければ、その後の差し押さえはできません。
 

 

差し押さえの対象は給料だけではない

借金延滞時に差し押さえされる可能性があるのは給料だけではありません。給料は直接現金の回収が可能であり、債務名義さえあれば容易に手続きできるため狙われやすいですが、債権者から狙われるのは給料だけではありません。債務者が保有しているその他資産に対しても差押えを行うことができます。
 
かといって、税務署が行う差し押さえはともかく、金融機関は動産(家具、家電など)への差し押さえはあまり行いません。これらの資産は、差押えで物品を回収しても、処分にこまります。むしろ、保管したり、処分するのに費用が掛かってしまうこともあります。
 
金融機関が狙うのは、「銀行預金」や、「自宅(不動産)」に対する差し押さえです。事業を行っている方であれば、取引先に対する債権(売掛金など)も対象となります。給料差し押さえは、勤務先(第三債務者)に対して執行しますが、預金債権の場合は、銀行の預金を差し押さえます。預金債権では、給料差し押さえのように、4分の1までというような制限はありません
その時の預金残高全額に対して差し押さえが可能です。
 
なお、預金の差し押さえにあたっても、具体的な銀行名や、支店名を特定して差し押さえをする必要があります。そのため、差し押さえを回避するためには、どこの銀行に口座を持っているかをバレないようにしておくことが大切です。残高のある銀行口座があっても、債権者にバレていなければ、差し押さえは出来ません。
 
ただ、金融機関は調査が得意です。過去の自行口座との振込のやりとりや、融資金の振込先口座などを狙って、差し押さえを行うこともあります。間違っても、融資を受けるときの振込先の口座や、延滞している同一銀行の口座で、給料を受け取るといったことをしないようにしましょう。
 
延滞などが発生する前に、借入用の口座と、生活用の口座(銀行も)は分けておくのが良いでしょう。
 
 

給料差し押さえをされないために

差押えは就業先にも知られてしまうため出来るだけ早期に解除してもらいたいものですが、一旦、給料差し押さえがなされると解除するのは容易ではありません。債権者としても延滞を回収するのに必死です。重要なのは、給料差し押さえに至るまえに、対応することです。
 
債権者にとっても、給料差し押さえは、「最終手段」としての意味が強いものです。銀行が「給料差し押さえ」に踏み切るのは、債務者の対応が悪質だと判断する場合がほとんどです。返済交渉をしても、「収入があるはずなのに、払ってもらえない」、「交渉しても誠意が感じられない」、「返済しようという意思が感じられない」、そもそも「連絡が取れない」といった場合に活用されます。
 
「払うお金がない」としても、ただ銀行に相談することなく延滞してしまうのではなく、銀行に対して、事前に相談するのが良いでしょう。支払う意思があることを示しながら、今は払えないが、いつになったら払えるようになるのか、及び現在もいくらなら支払えるということを相談していくのがよいでしょう。
 

 

誠意をもって対応する

誠意をもって対応する意思を示せば、銀行は「相談に乗って」くれます。
必死で払おうとする方を、無下に扱うことも出来ませんし、まして、そのような状況下で、給料差し押さえを行うということはありません。銀行に対して、細目に相談、報告することが「回避策」になるのです。
 
また、収入・支出が改善する見込みが立たず、単独で借金を完済できる見込みがないなら弁護士を通じて「債務整理」を行うこともお勧めです。弁護士を代理人とすることで、債権者から、債務者への直接の催促や、差し押さえなどの手続きも、大幅に回避(減少)できます。
 
延滞となった金融機関が、銀行だけでなく、消費者金融や、その他の貸金業者も含まれる場合、借入人自身で交渉することは、かなり難しい場合があります。延滞に至ってしまい、解消が難しい場合には、債権者と相談する、交渉が難航する場合は、弁護士などの法律の専門家に間に入ってもらうことが大変有効です。
 
弁護士が代理人になると、直接の催促、連絡が止まるほか、法的な手続きなども、行われにくくなるなど、メリットが多くあります。

 

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債権者としても、給料差し押さえで回収できるのは、給料の4分の1です。債務者の意思で、同レベルの返済が受けられるなら、それに越したことはありません。

 

 

まとめ

例え、延滞になってしまっていたとしても、返済意思があって、誠意をもって対応する方に、銀行などの債権者も給料差し押さえは行いにくいものです。
 
金融機関と直接交渉するのは、ハードルも高く、容易ではありませんが、弁護士を代理人とすることで、こういった問題も回避することができます。金融機関との交渉から逃げるのではなく、正面からしっかりと相談、交渉を行うことが非常に重要です。
 

 

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