借入を延滞していると給料が差し押さえされた!!給料差し押さえを回避する方法は?(1)

カードローンや、住宅ローンなど、返済が厳しくなって延滞するようになると、借入している銀行や消費者金融などから支払の督促が行われるようになります。こういった催促を受けていると、次第に対応が煩わしくなり、さらに債権者から逃げるようになり、延滞が長期化していくということもあります。

しかし、借金の延滞を放置し続けていると恐ろしいことになることもあります。その1つが給料などに対する差押えです。今回は債権者から行われる差押えの概要と対応方法についてご説明します。

給料の差し押さえってどういうこと?

「給料差し押さえ」というのは、借金の延滞に対して、債権者が回収を図るための強制執行の1つです。債権者が法的手続きによって、借入人の給料から、強制的に回収を行うのが給料差押えです。こういった強制的な手続きを強制執行とも言います。
なお、強制執行とは、裁判所の許可を得て、「強制的に債務者の財産や債権、不動産など」を、返済に充当するための法的手段です。

給料差し押さえは、債務者に届く前の給料を、勤務先から、直接回収できます。そのため、債権者は、債務者の意思に関係なく、回収できる強力な手段となります。

裁判所からの命令がなく、債権者が勝手に、資産を差し押さえることが出来る訳ではありません。あくまで、勤務先に対しては、債権者からではなく、裁判所から命令が届きます。

 

給料差し押さえに至るまでの流れ

例え債権者であっても自由に給料の差押えなどの強制執行を行えるわけではありません。債権者からの給料差し押さえに至るには一定のルールと、順序があり、急に行われるものではありません。

給料の差し押さえが行われるには、債権者において「債務名義」を取得する必要があるのです。債務名義とは、差し押さえなどを行うための許可で、裁判を通して取得されるものなどいつくかの種類があります。

こういった債務名義を取得する過程で、債務者にも予兆となるものがありますので、ある程度、差し押さえが行われる可能性は、事前に予測できます。
債務名義として認められるものには、確定判決、仮執行宣言付判決、仮執行宣言文付き支払い督促、執行承諾文言付公正証書、和解に代わる決定などがあります。

 

給料差し押さえが行われる前に予測できる?

債権者から裁判を起こされ(貸金請求訴訟)、呼び出し状や、支払督促手続きといったものが裁判所から送達されるケースがあります。
また、過去に返済額の見直しを、債権者と行ったことがある方は要注意です。

 

銀行や消費者金融との条件変更の契約を「公正証書」で締結している場合は危険です。
公正証書内に「延滞になるとすぐに強制執行が出来る」という内容を盛り込んでいると、裁判などの手続きを経ずに、延滞と同時に債務名義を取得できます。公正証書の場合、債権者は、比較的容易に強制執行を行えるため、条件変更の締結の際に公正証書を頻繁に利用します。債権者としては、裁判などは時間と手間も必要となるので、無意味と思いつつ、債務名義を取得するための段階として、条件変更(リスケ)を受けて、公正証書を締結することがあります。

そのため、銀行などとの条件変更を、公正証書でという申し出を受けた場合には、極力回避する努力が必要です。
公正証書を締結した後の延滞=強制執行(給料や、資産への差し押さえ)と考えて置いた方が良いでしょう。

 

給料差し押さえの対象は?

給料・賃金・俸給・退職金・賞与など、勤務先から受け取るもの全てと言えます。
もちろんパート、アルバイト、正社員などの雇用形態は関係ありません。いずれの雇用形態であっても、延滞している事実があれば、同様に差し押さえは可能です。

 

差し押さえられるとどうなる?

給料差押えが行われる際、差押えの命令は借入人に対してではなく、直接勤務先である会社に給料の差し押さえ通知が届きます。そのため、勤務先に借入を延滞している事実と、裁判所からの支払い命令が出されていることを知られてしまいます。こうなると、勤務先に秘密にしておくということは出来ません。

給与の差し押さえでは、給与を支払う勤務先(これを第三債務者という)から、債権者が直接回収することが出来るので、債権者には大変便利で確実な方法となります。勤務先にとっても拒否できず、債権者に対して支払わざるを得ません。

1度差し押さえが行われると、それ以降の給料にも差し押さえの効果が継続し、請求債権(通常延滞している額)の返済が終了するまで、ずっと給料の差し押さえが続くことになります。

 

給料差し押さえの影響は?

給料の差押えが行われると様々な問題が発生します。具体例をあげると以下のようなものがあります。
①給料の手取りが減ってしまう(さらに状況が悪化する)
②勤務先に延滞の事実が知られる
という2点があげられます。

給料差し押さえを原因として、雇用解除(クビ)は出来ないこととされていますが、評価や信用が低下することは避けられないでしょう。また、正社員はともかく、アルバイトやパート、契約社員などは、不利な状況になってしまう可能性も考えられます。

給料は全くもらえなくなるのか?

給料差押えが行われると、本来受け取れるはずの給料を全額債権者に取られてしまうのでしょうか。結論を言えば、全額取られるわけではありません。給料の差し押さえができる限度額は法律で決まっています。法律上の限度額を超えて差押えすることはできません。

いくら延滞をしている債務者と言っても、給料全額が差し押さえされると、生活に支障がでる可能性があります。そのため、最低限の生活できるように、差し押さえできる上限額が、法律で定められています

具体的に言えば、毎月の「給与の4分の1に相当する部分のみ」について差し押さえが出来ることになっており、残りの「4分の3」は、債務者とその家族の生活のために差し押さえが出来ないことになっています。

しかし、所得が高い方は、4分の3といっても、手元に留保される金額も高額になります。そのため、標準的な世帯の必要生計費を勘案して、一定の調整が加えられます。つまり、高額所得の借入に対しては、もっと多くの部分が差し押さえられることになります。

それを超過する部分については、たとえ4分の1を超えることがあっても差し押さえが出来るようになります。

 

具体例でご説明いたしましょう。給料から法定控除額を引いた額が、33万円以上になった場合、33万円を引いた金額全額を差し引くことができます。この場合、上記の4分の1の金額と比較して、高い方が適応されます。

40万円の場合、4分の110万円。33万円以外だと7万円ですので、10万円が差し押さえの対象です。60万円の場合、4分の1は、15万円、33万円以外は27万円ですので、27万円が差し押さえの対象となります

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まとめ

借入を延滞していると、債権者が、雇用主から直接、給料にあたる金額の一部を受け取る、「給料差し押さえ」を行われることがあります。給料差し押さえは、給料の手取りが減ることと、勤務先に、延滞の事実が判明するという問題があります。

差し押さえは、ある程度事前に予測できますので、金融機関の対応状況に注意しておく必要があります。次回は、差し押さえを受けた際の対応方法について、ご説明いたします。

 

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