マイホームの購入を検討されている方のなかには住宅ローンの利用を予定されていて、団体信用生命保険のことをもっと詳しく知りたいという方が多いでしょう。
住宅ローンを借入するにあたって、団体信用生命保険は重要です。住宅ローンの借入後、将来的な健康上の問題にも関わりますし、そもそも団体信用生命保険を要因として住宅ローンを借入できないこともあります。
今回は住宅ローンに関する団体信用生命保険について徹底的に解説します。
住宅購入に団体信用生命保険が必要?
マイホームを購入する、となった時、ほとんどの人が住宅ローンを借りることになります。
国土交通省の「平成27年度住宅市場動向調査」によると、住宅ローンを借りる世帯がおよそ6割、住宅ローンを借りずに一括購入する世帯が2割、無回答が2割となっています。
つまり、半数以上の世帯がマイホーム購入時には住宅ローンを借りているのが現状であり、これは住居価格が高くなりがちな首都圏に限定すれば、「住宅ローンあり」世帯の割合はさらに増えるでしょう。
団体信用生命保険とは?
団体信用生命保険(略して団信と呼ばれることもあります)とは、住宅ローンの契約者が亡くなってしまったり、重病にかかったりしてしまった場合に、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を契約した銀行に支払うことで、契約者に代わって住宅ローンを返済するという制度です。
つまり、団体信用生命保険とは、契約者が万が一のことに死亡したり、高度障害になってしまった時に、保険会社が住宅ローンの返済を肩代わりしてくれる制度なのです。
ちなみに、生命保険は妻や子どもなどの家族を受取人に指定しますが、団体信用生命保険は住宅ローンの借入先である金融機関が受取人になるという違いがあります。
そのため住宅ローンの融資を受けている被保険者が亡くなってしまった時には、保険会社から金融機関に保険金が支払われることになります。
それによって、住宅ローンが完済になるのです。
加入に必要な条件
団体信用生命保険に加入するためには「契約時に満70歳未満であること」と「健康状態に大きな問題がないこと」というふたつの条件があります。
この審査をするのは保険会社であり、各保険会社によって引き受け可能かの条件は少しずつ異なります。
また、ふたつめの条件、「健康状態に大きな問題がないこと」に関して、うつ病などの精神疾患、糖尿病、肝炎、心臓系の疾患、ガン、脳疾患、緑内障、クローン病といった疾患を持っている場合は団体信用生命保険に加入することは難しいとされています。
もし、このような疾患を持っていて、加入できなかった場合は、引き受け緩和型の団体信用生命保険である「ワイド団信」に申し込むことができます。
ワイド団信とは、一般的な団体信用生命保険に加入できなかった方でも、加入できる可能性のある保険です。
「誰でも加入できる」というものではありませんが、加入できなくてお困りの方は、一度相談されてみるのが良いでしょう。
なお、ワイド団信は、保険会社にとってもリスクの高い保険となるため、一般的に借入金利に年利0.2~0.3%の金利が上乗せされてしまうというデメリットもありますので、ご注意下さい。
団体信用生命保険で安心
マンションにせよ戸建にせよ、住宅ローンの返済がまだ終わっていないうちに、契約者が死亡または重病にかかってしまい、お金を返せなくなってしまうということもあるかもしれません。
住宅ローンは一般的に最長35年という長い期間をかけて返済していくので、借入時点で健康であっても、完済までに何が起こるかは誰にも解らないものです。
35年間という借入期間の間に、万が一のことが一切起こらないとは言いきれませんよね。
そのため、家を購入すると、健康上の理由などで加入できない場合を除き、通常は強制的に「団体信用生命保険」という保険に加入することになります。
なぜなら、団体信用生命保険に入らずに35年などの長期ローンを返済していくというのはとてもハイリスクだからです。
住宅ローンの借入条件
大部分の民間銀行の住宅ローンの場合、そもそも、団体信用生命保険の加入が必須条件となっています。
そのため、年収や、年齢など、住宅ローンの返済能力に問題の無い方であっても、団体信用生命保険に加入できないと、住宅ローンの借入は出来なくなります。
団体信用生命保険は、民間銀行から住宅ローンを借入するためには、ポイントとなる部分なのです。
保険料自体は銀行が負担してくれますので、保険会社の審査に通って団体信用生命保険に「加入」できれば問題はありません。
そのため、団体信用生命保険では健康状態が問題となります。
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団体信用生命保険とフラット35の違い
フラット35というのは、政府全額出資の独立行政法人である住宅金融支援機構による、全期間固定金利住宅ローンです。
つまり、最長35年間金利が変動することがない住宅ローンですが、2017年10月1日から大きくリニューアルし、月々の支払い額に団体信用生命保険の加入に必要な費用が含まれるようになりました。
これから家を購入するという人の中には「フラット35に入る予定だから、団体信用生命保険には加入しなくてもよいのでは」と考えているかもしれません。
フラット35は、これまでは団体信用生命保険の加入を求めず、必要な方が任意で勝手に加入すれば良いという扱いでした。
しかし、フラット35は2017年10月1日から大きくリニューアルされ、「団信つきフラット35」すなわち、従来のフラット35に加えて団体信用生命保険の機能も付け加えられるようになったのです。
健康な人であれば、フラット35に申し込みをした場合は、団体信用生命保険もセットで付いてくる、というようなイメージを持っていればよいでしょう(但し、民間銀行と違い、団体信用生命保険の保険料は住宅ローン借入人の負担となります)。
しかし、ひとつ注意をしておいたほうがよいことがあります。
それは、フラット35は加入したが、持病があるなどの理由で団体信用生命保険は審査に通らず、申し込むことができなかったという場合です。
この場合だと、フラット35のみに入っていることになり、万が一契約者が亡くなってしまった場合、住宅ローンの残りは肩代わりしてもらえず、家族が引き継いで支払い続けることになります。
そのため、団体信用生命保険の診査を通ることができなかった場合は、ワイド団信を申し込むか、民間の生命保険への加入を検討してみるとよいかもしれません。
☆フラット35なら金利がお得な住信SBIネット銀行
☆長期固定金利で安心して借入できる
☆団信加入は任意で選択可能
☆審査規準が解りやすく利用しやすいのも特徴
借入可能額(最大) | 8,000万円 |
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適用金利・手数料など | 35年間固定金利 1.5%(2023年6月現在・保証型:自己資金10%以上) |
その他優遇など | 借入期間を通して固定金利 |
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任意で増やす団体信用生命保険の6種類
契約者が万が一亡くなってしまったり、高度障害に至った場合に住宅ローンの返済を肩代わりしてくれるのが団体信用生命保険です。
単に、死亡した時は残債が無くなると考えている方も多いでしょう。
団体信用生命保険は死亡すれば返さなくて良くなる半面、死亡に至らない病気(がんなど)の時点では住宅ローンの返済がなくなりません。
しかし、療養が必要な病気だと、死亡に至らなくても返済が厳しくなることもあります。
そういった問題を解消するために、費用を住宅ローン利用者が負担することで、任意で加入できるプラスアルファの団体信用生命保険を用意している銀行住宅ローンもあります。
ここでは、そういった加算できる団体信用生命保険の6種類をご紹介しましょう。
1.がん保障つき団信
がん保障つき団信とは、最終的に医師によってがんであると診断された場合、住宅ローンの返済の半額または全額が返済不要になる団体信用生命保険です。
この「がん保障つき団信」は、多くの銀行が取り扱っており、例えば金利が0.2%上乗せで全額保障に対応してもらえるため、とても手厚い保障内容であるということができます。
同条件の保障内容で、割高な民間の生命保険よりもこちらのほうがお得であると考えることができるでしょう。
2.3大疾病保障付き団信
3大疾病保障付き団信とは、がんに加えて脳卒中や心筋梗塞になってしまった場合も保障してもらえる団体信用生命保険です。
脳卒中や心筋梗塞の場合は、手術を受ける、または60日間の労働制限といった条件がありますが、この3大疾病保障付き団信も多くの銀行で取り扱っており、ポピュラーな選択肢となっています。
3.7大疾病保障
7大疾病保障は、がん、脳卒中、心筋梗塞といった3大疾患だけでなく、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変の4つの生活習慣病もカバーしてくれる団体信用生命保険です。
この「7大疾病保障」では、脳卒中・心筋梗塞は手術にならなくても、入院をすることになった場合は住宅ローン支払いを免除してもらえます。
また、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変に関しては30日以上働くことができない状態が続けば、最長1年間住宅ローンの支払い額が補償され、さらに1年以上続けば支払いが全額免除になることもあり、とても手厚い保障内容の団体信用生命保険であるということができます。
例:三菱UFJ銀行の住宅ローン
☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
その他優遇など | 7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus> |
4.8大疾病就業不能保障
8大疾病就業不能保障とは、先に述べた「7大疾病保障」とよく似た保障内容ですが、慢性膵炎への保障がプラスされています。
この団体信用生命保険は、より幅広い疾患をカバーしてくれるというメリットがありますが、いずれの疾患にしても受け取りの条件が厳しくなるというデメリットがあります。
そのため、こちらを検討する場合には、「7大疾病保障」と比較して、どちらのほうがより自分に合っているかをよく考えたほうがいいでしょう。
5.11疾病保障団信
11疾病保障団信は、これまでの8つの疾患に加えて大動脈解離、上皮内新生物、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんという3つの疾患に対する保障が加えられています。
幅広い疾患に対する保障内容が魅力的な反面、入院の日数条件が厳しく、「対象の11疾病になってしまったが、入院した日数が条件に満たなかったため、ローンの返済を肩代わりしてもらえなかった…」ということも起こり得るかもしれません。
6.全疾病就業不能保障
全疾病就業不能保障は、精神疾患以外の全ての疾患が対象の団体信用生命保険です。
しかし、住宅ローンの返済が免除になるのは、12か月以上働くことができなくなった場合であるという条件があります。
全疾病就業不能保障で有名な住宅ローンとしては、住信SBIネット銀行があげられます。
さらに、住信SBIネット銀行では、全疾病保障が無料で利用可能です。
団体信用性保険の保険料は住信SBIネット銀行が完全に負担してくれるのです。
少しもでもお得な団体信用生命保険を利用されたいなら、住信SBIネット銀行がおすすめです。
★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料 |
さて、これまで6種類の団体信用生命保険について見てきましたが条件は様々です。
対象の疾患の種類は少なくても手厚い保障内容のものを選ぶか、住宅ローン返済免除の条件は厳しくても幅広い疾患をカバーしてくれるものを選ぶかは本当に人それぞれなので、安易に決めず、メリットとデメリットを合わせてよく考えてみるといいでしょう。
団信がおすすめの住宅ローン
前述の通り、団体信用生命保険は任意で補償内容を充実したものに変更できる住宅ローンがあります。
住宅ローンは長期間で借入するものですので、将来の健康問題は心配なものです。
疾病保障が充実した住宅ローンを上手く活用すれば、安心して住宅ローンを借入することができます。
三菱UFJ住宅ローン(ネット専用)
おすすめ度:SS+
三菱UFJ銀行の住宅ローンは13年間連続で年間の借入される金額が日本でトップになっている人気の住宅ローンです。
借入時の金利の低さ、大手銀行ということもあって安心して借入できること、そして充実した説明を受けながら借入できるところが特徴です。
さらに、ネットから申込できるネット受付専用住宅ローンなら店頭借入よりも金利が低くて、もっとお得に借入できます。
三菱UFJ銀行の住宅ローンには「7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン<PLUS>」があります。
7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブンでは、がんや心筋梗塞、脳卒中など、万一の疾病時に住宅ローンの残高を保障してもらうことができます。
☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
その他優遇など | 7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus> |
住信SBIネット銀行
おすすめ度:S
住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンもおすすめです。
住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンは変動金利が業界トップクラスに低いことで有名な住宅ローンです。
そのため、金利に敏感な住宅ローン利用希望者に選ばれることの多い住宅ローンです。
さらに、住信SBIネット銀行では、「全疾病保障付住宅ローン」を保険料無料で利用できます。
全疾病保障は病気や、けがの種類に関わらず、12ヶ月以上の就業不能時に、その時点の住宅ローン残高を保険会社が保障してくれる住宅ローンとなっています。
★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料 |
au住宅ローン(じぶん銀行)
おすすめ度:SS
じぶん銀行とは三菱UFJ銀行とauを運営するKDDIが共同で設立したネット銀行です。
新しくできたネット銀行ならではの低金利とお得な団体信用生命保険の制度が魅力です。
au住宅ローンの団体信用生命保険には通常の死亡保障に加えて50%がん保証が付加されています。
50%がん保証+全疾病保障とは、以下の3つの保証が追加された団体信用生命保険です。
- 死亡もしくは指定の高度障害、もしくは余命6ヶ月以内の診断
- すべての病気・けがを対象として入院が180日以上継続された場合
①、もしくは②の場合、住宅ローン残高は0円になります。
加えて、
がんと診断された場合には住宅ローン残高が50%に減額されます。
この①、②、③の保証が付いた団体信用生命保険を、利用者の負担0円で加入することができます。
もちろん、auユーザー以外の一般の方もau住宅ローンを利用できます。
2021年3月現在、変動金利は0.410%、10年固定金利でも0.525%で借入可能です。
☆じぶん銀行のau住宅ローン
☆業界最低水準の住宅ローン金利
☆がん50%保障団信が無料で利用可能
☆auユーザー以外の方でもお申込みできます
*じぶん銀行は三菱UFJ銀行とauの共同設立のネット銀行
借入可能額(最大) | 2億円 |
---|---|
適用金利・手数料など | 変動金利 0.31%、10年固定金利 0.465%(2022年1月時点・au金利優遇割適用時) |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 一般団信・がん50%保障団信の保険料が無料、一部繰上返済手数料が無料 |
まとめ
住宅ローンは大きな金額を長期間に渡って借入する融資商品です。
そのため、住宅ローン借入時に健康だったとしても、その後にどういった変化があるかは予測できるものではありません。
しかし、住宅ローンを借入している人が死亡した場合、その後の住宅ローン返済で残された家族が困らないためには、団体信用生命保険が重要です。
一方、団体信用生命保険に加入したいけども、健康上の理由で加入できずに、住宅ローンを借入できないと困っている方もいます。
団体信用生命保険の正しい知識を身に付け、うまく活用するようにしましょう。
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