住宅ローンの最大借入可能額は!? 元住宅ローン担当者が銀行が使う「年収倍率」と「返済負担率」を教えます

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これからマイホームの購入を検討している方にとって、住宅ローンでいくら借入できる可能性があるのかは重要な問題ですよね。いくら借入できるかが解らなければ、住宅を選ぶのも難しくなってしまいます。

 

住宅ローンの借入可能額は、銀行の住宅ローン審査で決定されますので、最終的には銀行に相談して借入申込しないと判明しません。しかし、ある程度の概算であれば、ご自分でも計算できるのをご存知でしょうか。計算方法を覚えておけば、銀行に申込する前に、借入可能額を確認して、住宅選びがしやすくなります。

 

重要なポイントは「年収倍率」と「返済負担率」にあります。この2つを理解すれば誰でも計算できるようになります。銀行の住宅ローン審査で実際にしている住宅ローンの借入可能額の計算方法を解説いたします。

 

 

借入可能額に影響する要素


まずは、住宅ローンの借入可能額を左右する要素を、ご紹介いたします。後程ご紹介する、借入可能額の計算方法に使用する要素になります。計算するためには、事前にこの要素を集めておく必要があります。

 

①現在の年収

もっとも重要なのは年収です。住宅ローンの借入可能額を計算するうえで、最も影響を与える重要な要素となります。もちろん、年収は大きければ、大きいほど、良い材料となり、住宅ローンの借入可能額は増加することとなります。

 
 

②勤続年数

勤続年数も長い方が有利です。銀行の住宅ローン審査における「勤続年数」とは、現在の就業先に対する勤続年数を意味します。就業を続けている方でも、「転職」すると、勤続年数は「0」にリセットされてしまいます。そのため、住宅ローンの借入を予定しているなら、実際の借入が完了するまで、転職は避けた方が良いことになります。

 
 

勤続年数の短い、長いは、借入可能額を左右する要素というよりも、そもそも、住宅ローンを借入できる、出来ない、を左右する要素となります。つまり、勤続年数が短いと、そもそも住宅ローン審査に通らないということもあります。

 

住宅ローンにおける勤続年数の理想は3年です。また、3年は難しくても1年以上は欲しいところです。本当に住宅ローンを借りたいと思うなら、住宅ローンを借りるまでの期間は、転職せずに、現在の職場で勤務を続けておくことが望ましいでしょう。もし、勤続年数が1年未満で住宅ローンの借入を希望されている方は、こちらの関連記事でポイントをご確認ください。

 

勤続年数6ヶ月で住宅ローンを借入した方法を教えます!!

 

 

なお、転職して、期間が短くても審査に通る稀な方も実は存在します。

それは、転職して年収が増加する方です。年収が増加する転職は、キャリアアップとして銀行内部でも説明がつくため、審査に通る可能性があります。

 

しかし、通常、転職してすぐは賞与が下がってしまったり、試用期間があったりで、年収は下がってしまう可能性が高くなるので注意してください。

 

 

③既存借入額

住宅ローンの借入可能額で計算する額から、既存借入額による影響を控除することとなります(詳細は後程、解説いたします)。住宅ローンの借入可能額は、「いくら返済できるか」の能力(返済負担率)から計算するのですが、そこから、既に借入している額があれば、そちらを控除した残りが、今の借入可能額ということになります。既存借入は、住宅ローンにおいては不利に働きます。

 

通常、住宅ローン金利の方が、無担保借入に比べて、大幅に有利です。できれば、無担保借入は完済し、住宅ローンで大きな金額を借りれるように取り組むほうが得になります。

 

銀行や消費者金融から既存借入があっても住宅ローンの審査には通る!?

 
 

④自己資金

銀行としては、後述する返済負担率、年収倍率から、貸し出せる金額の上限を計算することになりますが、それとは別に、本当に貸してよいのかを検討しています。つまり、貸したは良いが、返せなくなった時の心配をしています。

 

自己資金は多く準備されている方が、銀行としては安全に貸し出せることになるため、貸出は行いやすくなります。

例えば、5,000万円の住宅を購入するケースを考えます。全額住宅ローンで借入していると、借入残高も5,000万円です。

 

仮に、1年後、不動産を売却するとして、借入残高が100万円減少、住宅の売却価格は4,500万円になっているとします。

 

売却代金は全額、住宅ローンの返済に充当するとしても、銀行は、4,500万円の売買代金の回収になります。これでは、住宅ローン残高は4,900万円ありますので、400万円の残高が残ってしまいます。一方で、当初購入時に、自己資金を10%(500万円)支払って自宅を購入していれば、住宅ローンの当初借入額は4,500万円となります。

 

この場合、自己資金がある場合には、1年後の借入残高は4,400万円となりますので、売却代金で全額支払うことができます。つまり、その分、銀行にとっては貸し倒れのリスクが低くなりますので、審査にも通しやすくなります。

 

銀行が自己資金を求める理由は、リスクの軽減です。

 

 

住宅ローンの返済負担率とは?


では、ここからは、銀行が住宅ローンとして、いくらまで貸しだすことができるのかを計算いたします。もっとも重要なので、こちらの返済負担率です。

 

こちらの比率と、先ほどの自己資金の状況で、借入可能額は計算されています。返済負担率とは、年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合です。

 

つまり、年収の何%を、住宅ローンの返済に、充当することになるのかを計算した結果です。

 

 

仮に、年収500万円の方が、年間100万円(≒月8.3万円)を返済するとなると、返済負担率は20%となります(100万円÷500万円×100%)。住宅ローンの審査で、基準となる返済負担率は、2530%程度で、年収が400万円以下の方は25%、それ以上の方は30%で審査されます。

 

また、返済負担率の計算では、年間返済額に、利息も含めて計算します。

 
 

実際の計算例


仮に年収500万円の方で、返済負担率を使用して、住宅ローンの借入可能額を計算してみましょう。

 

返済負担率の上限は30%ですので、年収500万円の方の計算上の年間返済額上限は、150万円(500万円×30%)になります。なお、返済負担率を計算するにあたっての金利は、実際に銀行で借入できる標準金利/基準金利(現在の変動金利で1%未満)ではなく、34%の審査用金利となります。

 

もしくは、フラット35などの超長期年固定金利で住宅ローンを借りる場合には、そちらの実勢金利を使用できることもあります。34%で、年間返済額150万円となる借入額を計算すると、2,8003,300万円ということになります。

 

 

つまり、この2,800万円~3,300万円が、年収500万円の方の借入出来る上限額になります。

なお、この借入額、金利から年間返済額を計算するには、電卓やエクセルには、かなり高度なスキルが必要です(元利均等返済の計算は非常に複雑です)。

 

銀行の公式ホームページには、「住宅ローンの返済額シミュレーション」を用意していることがありますので、そちらを活用するのがお勧めです。今回は、三井住友銀行のシミュレーションを活用いたしました。

 
https://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/shinki/sim/
 

 

 

住宅ローンの年収倍率とは?


住宅ローンの借入可能額を計算する方法には、返済負担率以外に、もう1つ、「年収倍率」という考え方があります。返済負担率が銀行の審査で用いることの多い重要な考え方ですが、年収倍率は、「簡易」的に計算できる方法であり、知っていると使い勝手の良い計算方法になります。

 

年収倍率とは、年収の何倍まで、住宅ローンを借入できるかという比率です。例えば、先ほどの例で、年収500万円の方が、3,300万円を借入したとすれば、6.6倍(3,300万円÷500万円)ということになります。

 

不動産調査会社大手の東京カンテイによれば、2015年時点の年収倍率は以下の通りとなっています。

 

<全国の年収倍率実績>

全国平均:7.66

最高(神奈川県):11.7

最低(栃木県):5.40

東京:11.30

 

年収倍率は、東京都内や首都圏の方が高く、地方で低くなる傾向にあります。

 

これは、そもそも東京都や、首都圏の方が不動産の価格が高くなることと、首都圏の方が、年収の高い方も多いため、借入額が多くなる傾向にあるためです。なお、年収倍率から計算すれば、年収500万円の方は、3,830万円借入できることになります(全国平均7.66倍として)。

 

 

 

返済負担率>年収倍率


なお、年収倍率は、あくまで簡易的に住宅ローンの借入可能額を計算する「参考値」になります。

銀行審査においては、正直、特に使用しません。参考として、借入が少し多すぎるかな?という時に見る程度です。

 

実際に、銀行が審査で、住宅ローンの借入可能額を計算する際は、先ほどの返済負担率で計算することになります。

 
 

返済負担率の緩和


また、返済負担率は先ほど、2530%という風に説明いたしましたが、こちらは年収が増加するにつれて、この基準を超えて借入できる可能も高くなります。

 

返済負担率が30%の場合、残りの70%は、社会保険料や税金と、その他の生活費に充当することを想定しています。しかし、税金や、社会保険料はともかく、給料が増加したからといって、食費などの、生活費が比例して増加する訳ではありません。

 

そのため、ある程度の年収(仮に700800万円以上など)では、返済負担率を超える借入であっても、銀行の個別対応で、より多くの金額を貸してもらえることがあります。

 

但し、これはあくまでも、銀行の例外対応ですので、「やる気のある」銀行員とあたった場合のみになります。

 

 

まとめ


住宅ローンの借入可能額は、ご自身でも簡易的に計算することができます。計算方法を知っておけば、購入する住宅選びにも、非常に役にたちます。

 

住宅ローンの借入可能額を計算するうえで、最も重要となる考え方は、「返済負担率」です。返済負担率は、銀行の住宅ローン審査でも使用しています。そして、返済負担率を計算するうえで、最も借入可能額に影響する要素は、「年収」です。年収をもとに、年間の返済可能額を計算して、逆算するのです。

 

返済負担率ほど面倒な計算を使用しないで、住宅ローンの借入可能額を計算するなら、「年収倍率」がおすすめです。年収倍率は、住宅ローン審査で使用する方法ではありませんが、大雑把な借入可能額を計算するうえで、解りやすい指標になります。

年収倍率では、年収の7~8倍程度が住宅ローンの借入可能額ということになります。

 

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